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【痙性斜頸〜完治をめざして〜】首のジストニアになった話 ①

痙性斜頸(けいせいしゃけい)という病気をご存知でしょうか?

自分の意思に反して、勝手に首が傾いたり、首が回ってしまったりする病気です。

 

私は自分が発病するまで、こんな病気があることを知りませんでした。

副作用関連の仕事をしていたので、薬の副作用として『ジスキネジア』『ジストニア』の文字を見ることは何度かあったのですが、自分が発病して初めてこの病気を知ることになりました。

 

医学的なことは他のホームページなどにも記載されているので、素人が間違った情報を書かないためにも、自分の体験談を書いていきたいと思います。

まだ完全には治っていませんが、かなり改善してきました。

 

大きく分けると

『原因不明による発症』

『薬の副作用による発症』

の2パターンかと思うのですが、私は前者の、原因不明で発症したパターンです。

 

原因不明と言われていますが、私の場合は恐らく 身体の歪み(日常生活の癖)、肩甲骨 が原因だと思います。

私は薬や注射、鍼などではあまり効果がなく、自らの身体の癖を見直すことで良くなってきました。

薬の副作用で発症した場合は原因や対処方法も異なるかと思いますので、あくまで私の場合は…という経験談となります。

この記事が同じ病気で苦しむ方など、何かしらお役に立てば幸いです。

発症した時の症状

首の異変に気づいたのは、2019年の2月頃。

転職したばかりの会社でパソコンの入力をしていたところ、勝手に首が左側に回ってしまうのに気がつきました。

とはいえ、まだゆーっくり回る程度で、気をつけていれば前を向けていたので、「気のせいかな」と思っていました。

日に日に悪化していく

最初のころは意識すれば直せていましたが、日に日に首が回る力が大きくなっていきました。

ネットで「首 勝手に回る」と調べたところ『首のジストニア』『痙性斜頸(けいせいしゃけい)』と出てきました。

症状と照らし合わせても、これで間違いないだろうと確信。

ただ、その時は「こんな病気もあるのか〜」程度で、すぐに治る肩こり的なものだと楽観視していました。

もともと肩こりや肩甲骨のコリが酷く、運動不足もあったので、寝る前にストレッチをするようにしました。

でも、3日坊主な性格なので毎日は続かず…

そして、日に日に悪くなっていきました。

鍼治療を試してみた

痙性斜頸の治療は、投薬、鍼、ボトックス注射、手術など。

仕事柄、抗精神薬の副作用をよく目にしていたので投薬治療に抵抗がありました。

そこで、まずは近くの鍼灸院で鍼治療を受けてみました。

ジストニアに特化した鍼灸院とかではなく、普通の1回6000円くらいの鍼です。

 

「首のジストニアでなんです。治りますか?」と聞くと、「治りますよ!」と断言してもらえて心強く感じました。

手や足に加え、首の後ろ「風池」あたりに鍼をさしました。

回ってしまう方の左側の風池あたりが、かなり痛重く、グググッ…と押される気がしたのでそれを伝えたのですが、「効いてる証拠です」とのことでした。

しかし、帰り道にはさらに首が回ってしまい逆に悪化してしまったので、鍼治療が怖くなり1回で止めてしまいました。

脳神経外科を受診

ボトックス治療をしてもらうため、ネットで近辺の病院(脳神経外科)を調べました。

ボトックスは費用も高いですが、毒でもあるため経験の浅い医師に任せるのも怖い。

でも首が回って前を向けないし、一人暮らしで送迎を頼める人もいないので遠くの病院にも行けない。

ネットで調べまくり、痙性斜頸の治療では名の知れている先生を同じ市内で見つけることができました。

 

これは個人的な意見ですが、もしボトックス治療を希望するなら、遠くても腕の良い専門医に診てもらった方が良いと思います。

一回の治療費が高いのもありますが、下手な医師に打たれるほど怖いものはありません。

効かないだけならお金の無駄で済むけど、悪化したり取り返しがつかない事になったら元も子もありません。

ボトックス注射は数ヶ月に一度なので、もし可能であれば腕の良い専門医に打ってもらう方が良いと思います。

診断の結果

検査は脳のMRI検査と血液検査(念のための検査)で、あとは膝を叩いたり、その場で簡単に歩いてみたり…などの診察でした。

案の定、痙性斜頸(首のジストニア)との診断。

 

まずは内服治療になるのが一般的らしく、先生からは内服治療(リフレックス錠)を勧められました。

ですが、職業上、抗精神薬の副作用を知っており、内服治療に抵抗があったため服薬を拒否しました。

[※あくまで私の独断と偏見なので、標準治療を断ることはお勧めできません]

 

無理をお願いし、初診でしたがボトックス注射を50mg(初回のため少ない用量)を打ってもらいました。

医師からは「ボトックスも副作用のリスクあるよ」と苦笑いされましたが…(笑)

ボトックスの効果は?

ボトックスを打ってもらい、すぐに治るかと思っていたのですが、私の場合は逆に悪化してしまいました。

感覚トリック(身体の一部を押さえていたら症状がおさまる)が、注射を打ってから無くなりました。

私の場合、エラのあたり(耳下の横あたり)に触れていると首が回るのを抑えられていたのですが、その感覚トリックが全く効かなくなったのです。

打ったボトックスの量が少なかったから効かなかったのかもと考え、2ヶ月後くらいに再度ボトックスを100mg打ちましたが、良くなる気配はありませんでした。

筋電図を用いて、その道のプロである医師に打ってもらっても悪化してしまったため、ボトックスによる治療は諦めて絶望していました。

スパルタ練習で奇跡が起きた?!

首が回りすぎて、出かける事もままならない生活。

ですが、頼る人もいなかったので、働かないと食べていけない。

首を手で押さえつつ、好奇な目にさらされながらも、必死で仕事に行ってました。

入力業務だからどうにか続けられたのかもしれませんが、片手だけでマウスの操作と大量の入力を行うのは本当に辛くて大変でした。

 

鏡の前で首をまっすぐするトレーニングやストレッチを行ったりしてましたが、とくに効果もなく…

そんな中、伸びた髪がどうしても切りたくなり、「私は美容院に行きたいんだー!!これ以上悪くなることはないから、もうどうにでもなれ!」と、首と頭の血管が切れるんじゃないかというくらいの、めちゃくちゃスパルタな歩行練習をしました。

首や肩がよく見るようにタンクトップを着て洗面台に立ち、思いっきり力を入れて首をまっすぐにする練習を始めたのです。

もう、ヤケクソです。

無音だと心が折れるので、好きなロック歌手の音楽を爆音にしてイヤホンで聴きながら、2〜3時間やり続けました。

 

最初は首を前に向けようとしても、1秒も向いていられず…

顔を前に向けられても、手や足を動かした途端、首がグルンと90度左を向いてしまいます。

息を吐きながら、全身に力を入れて集中して、次は少しでも長く…次は少しでも長く…を、ひたすら繰り返しました。

手と足を振り、その場で足踏みしながら、息を吐きつつ顔をまっすぐキープ。

限界がきたら、一気に脱力して全身を休めて、息を整える。

言うことをきかない首に何度も心が折れそうになりながら、美容院に行きたい一心で、汗だくになりながら何時間も繰り返しました。

 

数時間後…

首は相変わらず回るものの、力を思い切り入れれば首をまっすぐに出来る時間が、少しずつ増えていきました。

そして、翌日くらいから、歩く時だけは力を入れれば首をまっすぐに出来るようになったのです!

 

相変わらず手を動かすと(仕事中や食事中)首の捻転はすごかったのですが、少し改善したことにより、念願の美容院に行くことができました。

無意識にやったスパルタ練習ですが、思いっきり力を入れて、一気に力を抜くという『筋弛緩法』を自然とやっていたことが良かったのかもしれません。

もしかしたら、1〜2ヶ月前にしたボトックスの効果も相まっていたのかもしれませんが、個人的な感想では筋弛緩法の効果だと思います。

筋弛緩法とは?

筋弛緩法(漸進性筋弛緩法)は、約100年前にアメリカの精神科医エドモンド・ジェイコブソンが開発した方法です。 体の各部位の筋肉を10秒間緊張させた後、ストンと一気にゆるめることを繰り返して、体の緊張をほぐします。

痙性斜頸は無意識に力が入って、首が旋回したり傾いたりしてしまいます。

私も色々調べる中で、この『筋弛緩法』『自立訓練法』は、この病気にとって大事だと感じました。

3日坊主なのでなかなか続けられませんが、自ら意識的に力を抜く練習は、この病気を治すのに欠かせない一つだと思います。

今でも緊張する場面や、「首をまっすぐしないと」と意識をすればするほど悪化したりするので、そんな時は身体から力を抜くように心がけてます。

 

私は痛みがないタイプだったのでスパルタ練習が出来たのもあるし、無茶な方法なので人にオススメできるものではありません。

ですが、正しい『筋弛緩法』は痙性斜頸には効果があるのではないかと個人的には思います。

一時期よくなっていたが、また再発

スパルタ練習(筋弛緩法もどき)で一時期は回復しました。

手で顔を押さえなくても歩けて、首に違和感はありつつも、この期間は外出も楽しむことができました。

でも、原因を見つけないことには、また再発するかも…と思っていたら、案の定、3ヶ月ほどで再発しました。

 

鏡を見て「あれ?首が右側に傾いているな?」と気になり、意識してからさらに悪化し、そこから首の傾き地獄が始まりました。

以前は左に90度クルッと回る捻転。

今度は右に首を傾げてるような傾倒。

 

そこから、また長い痙性斜頸との闘いが始まりました。

長くなったので、続きはコチラに↓

【痙性斜頸〜完治をめざして〜】首のジストニアになった話 ②痙性斜頸の再発 首を傾げてるような、右側に傾くパターンで再発しました。 再発して改めて気づいたこと。 『原因不明だけど、原...